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「どうぞ」
賢君はそう言って、半年前と同じようにハンカチを差し出してくれた。
私は、賢君の顔を見た途端に泣き出してしまったのだ。
久し振りに見た大好きな人の顔が、半年前と変わらず優しい微笑を投げかけてくれ、
そこには慈愛に満ちた、心地良ささえも感じられた。
半年間、ずっと忘れていた感覚が、泪と粒と一緒に流れ落ちた気分だ。
幾分落ち着きを取り戻したものの、実際に顔を合わせてしまったら、
決意が揺らいでしまいそうになった。
そうしたらまた泪が溢れて来て止まらなかった。
賢君はその間、私が泣き止むのを、優しい微笑で、包んでくれていた。
その優しさが、私に一層拍車を掛けるなんて、気付かないんだろうな。
「京さん、こんな時になんですが、渡したいものがあるんです」
業を煮やしたのか、一向に泣き止まない私を余所に、
賢君が切り出した。
「なぁっ、な ぁ・に?」
嗚咽を漏らしながらも、聞こえるように、しっかりと言ったつもりだが、
それは言葉にならなかった。
賢君はそんな私の声が聞こえたのか、にっこりと微笑んで、
カバンの中をごそごそと漁り出した。
泣きじゃくりながらも、賢君の行動を追っていた私の視界に入ったのは、
小さな包み紙だった。
「これ、受け取ってもらえますか?」
賢君から差し出されたのは、ほんの小さな立方体で、そこには可愛らしく
赤いリボンがあしらわれていた。
私は訳が分からず、言われたままに、その包み紙を受け取った。
リボンに手を掛ける前に、賢君の顔を覗き込むと、またそっと笑いかけてくれた。
安心した私は、そのまま丁寧にリボンを解き、包み紙を開けた。
「・・・ぇ?」
私に言えたのは、本当にこれが精一杯だった。
包みから顔を出したのは、小さな、でも品のいいシルバーの指輪だった。
私がその指輪に視線に釘付けになっていると、そこに賢君の手が入ってきて、
その指輪を包みごと持っていかれた。
そして次の瞬間、賢君は指輪だけを取り外し、
私に手を出すように、優しく訊ねた。
訳が分からず呆然としていると、賢君が私の手を取り、
左手の薬指に、その指輪をそっと嵌めてくれた。
「僕の気持です」
そう言う賢君の頬は赤みが差していて、それは私も同じなんだと、唐突に感じた。
手を賢君の下から離し、目の前で翳してみる。
サイズは、驚くほどにぴったりで、小さいながらも、私の掌で煌々と輝きを放っている。
「どうして・・・」
「京さんの入学祝にと思って。
入学したらまた、これから先もあえない日々が続くと思いますが、
僕の気持はそんな距離なんかとは関係ないですから。」
恥ずかしげも無く、賢君は嬉しそうに言う。
「京さんには寂しい思いばかりさせてしまって、
だから、気持は繋がっているって事を何かで証明したいと思ってた時、
岳さんとヒカリさんにアドヴァイスして貰ったんです」
そう言って、賢君も左手を翳す。
そこにはお揃いの指輪が、やはり綺羅々と輝きを放ち収まっている。
「寂しい思いをさせてゴメンなさい。
それをプレゼントしたくて、ずっとアルバイトをしていたんです」
「賢、君」
私は漸く口を開き、そして賢君の指輪をなぞった。
私と同じ、シルバーのリング。
それは誓いの証。
二人とも、同じ気持でいる事の、徴。
会えなくて辛いのは、私だけじゃなかったんだ。
そっと見上げる視線。
また背が伸びたんだね。
会わない間に、色々あったんだね。
でも、もう違う。
会えなくたって、気持は通じているんだ。
***
長っ煤i>д<)
何でこんなに長くなってしまったんだ!?
書いてる内に夢中になって・・・多分過去最高だと思う。
書き易すぎるぜ、賢京!!
それに、結構好きかも、この話。
書き手が違ったらもっと素敵な話になったと思うんだけど、これが私の限界ですかね?
生徒役の彼女及び岳ヒカリ・・・一体なんだったんだ、彼らの役どころは?
ってか、生徒役の女の子、編入試験は受かったのでしょうか?どうでもいい話・・・(汗)
それに、京は何の入学なんでしょう?
中学でも、高校でも、お好きな方で取って下さい。
まぁ、賢ちゃんがバイトって時点で、中学だと色々問題あるか。
労働基準法に引っかかるって(笑)
まぁ、その辺は突っ込まないで下さい(^^;
因みに京の決意とは、別れ話だったんですけど、その辺長くなりそうだったのでカット。
(これ以上長くしてどうするよ?)
こんな駄作ですが、38500hitとして星華様に捧げます。
14 Apr 2004 MumuIbuki
ブラウンザでお戻り下さい
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