デジモンセイバーズ(仮)A




       その物語の中にあるように、もう何十年も昔には、人間はデジタルワールドとは無縁な生活を送っていた。しかし、その中心となる出来事の後、二つの世界は密接した関係を保持するようになった。その頃は、互いが互いを支えあい、実にバランスの取れた関係を築くことができた。

       

       しかし、この物語には、歴史のほんの序章しか述べられていない。

       

       二つの世界の関係は、数十年の内に終焉を迎えた。利己的な人間が、無法地帯へと変えてしまったのだ。ネットによる犯罪が多発しウィルスが蔓延した。そして、そこに棲んでいた生物を絶滅の危機まで追いやったのだ。

       

       それまで友好関係にあった二つの世界の間には、埋め難い溝が奥深くまで延びていった。

       

       現実世界の有識者・技術者たちは、それまでの相携える関係を、依存した関係である公言し、二つの世界の関係はそこで凍結してしまった。

       

      目に見えるものとしては、何度も紛争が起きた。今は冷戦状態といってもよい。しかし、目に見えぬ水面下では実にさまざまな現象が起きていた。人体への影響はその一つである。

       

       

       

       

      『おじいちゃんの書庫に有ったこの物語と一緒だ』

       

       少年は、立ち竦んでいた。一時は社会を賑わせていたらしいが、少年が物心付く頃にはそれが当たり前の世界になってしまっていた為に、その緊迫した現状を教える大人達は、少年の周りには居なかった。それ故、目の前に広がる現実に愕然としていた。

       

      『こんなに酷いとは――』

       

       

       

       

      少年が手にしている本。相当の年月を過ごしてきたのか、ハードカバーの角は丸くなり紙も黄ばんでいる。しかし、大切にされていたのか本としての役割はまだ十分に果たしていそうで、背表紙から本が外れているということは無い。

       

      茫然自失していた少年は、思い出したように重みでずれていたずっしりと重量感のある本抱え直す。その瞬間、本の表紙が見えた。

       

       

      そこには、

       

      デジモンアドベンチャー 著・高石岳

       

      とある。


       






    ***


      ようやくちょっと出てきました。
      オリジナルタイトルをつけるなら『デジモンディセンダント(descendant)』でしょうか?
      ん〜安直。
        もうちょっと先まで書き上がっているんだけど、まだ途中なので、小出しでもう少し続きます(笑)



                         Mar 3 2006 MumuIbuki





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