寝言






      『春一番がもうすぐ吹くだろう』




       天気予報でそう報じられたのを聞いたかのように、この日の昼下がりはいつになく暖かかった。

       先日まで例年にないほどの積雪を観測し、周囲を海に囲まれているここお台場にも雪の結晶は姿を見せていたと言うのに。





       昼食を摂った直後に、日当たりのいい位置に設えられているフカフカのベッドに寝転んでしまったら、それはもう夢へと誘われるのは時間の問題だ。




       お腹一杯になったミミは、当然のようにすぅすぅと寝息を立てていた。





      「ねぇ光子郎君」

      「あれ目が覚めたのですか、ミミさん」



       まだとろんとした表情で目を擦っているミミだが、彼女に背を向けてパソコンを操作する光子郎を視界に捉えると、気だるそうに上体を起こした。

       椅子を転回させてミミに向き直る光子郎を、彼女はまだ夢心地といった表情で見上げている。



      「ねぇ、婿養子とマスオさんとどっちがいい?」



      それだけ言うとミミはまたベッドに吸い込まれ、再び心地よさそうな寝息を立て始めた。



      (お嫁さん…という道は無いのでしょうか…)








    ***


      さらりと大胆なことを言うミミちゃん。
      それに、的外れ(?)な突っ込みをいれる光子郎君。
      本当は漫画にしたかったんだけれども、断念。



                       Feb 10 2006 息吹・拝


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      拍手SSの転載です。





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