white day




      「大輔、電話だよ。一乗寺君って子から」
       賢からの電話を受け取った姉貴の奴は、キャーキャー黄色い声を発しながら受話器を俺に寄越した。ヤマト先輩はどうしたんだよ。まったく。

      『なぁ大輔、今度の日曜買い物に付き合ってくれないか?』
       賢からの電話での一言。
       姉貴が聞いたら即OK!とか言い出しそうな内容だ。
      「いいけど何で?」
       賢は確か京と付き合いだしたとか言っていた。どうせなら京と行きゃいいのに。
       って言うか羨ましい。勿論相手が、ではない。彼女ができたことについてだ。俺もヒカリちゃんと…
      『京さんにバレンタインデーのお返しを買いに行こうかと思って』
       俺が妄想に耽っているのを知ってか知らずか、今いいところだったのに、それをぶち壊すかのように賢の声が割って入ってきた。
      『ほら、僕より大輔の方が付き合い長いし、参考にさ』
      「サンコウねぇ…京の好みなんてわかんねぇよ、俺」
       のろけトークに気を害した俺は、半ば突き放す様に言った。
      『まぁ、大輔も二人で一緒に選んだ方が、客観的に選べて…』
       プチって、何かが切れた。
      「ってぇ、俺ゃ誰からも貰ってませんよ!!」
      『え、大輔、まさ…』
       言い終わらないうちに、電話を切ってやった。まさか嫌味か??








    ***


      哀れな大輔大好き(笑)
      続編もあるんだけど、纏まらないからカット




    拍手SSの転載です。

        Mar.6.06    息吹・拝




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