※パラレルです(ギャグだけど)
       エド・アルは生身です。
       原作は軽くスルーの方向で。
       (人体練成とかその辺)

      以上に嫌悪感を抱かれる方はブラウンザでお戻りください。

      大丈夫!と言う方は下へスクロールでご覧ください。


















































        APXN 1 


       長閑だな、とエドワードは思った。

       項で切り揃えた髪は、そよそよと暖かい風に揺れている。

       今日のような小春日和には、寒さに身を縮め屋内に居た日々の反動で、家に閉じ篭っているのは勿体無いと思い、エドワードは弟のアルフォンスを誘って散歩にでも出ようかと思った。

       しかし、家の中に彼の影が見当たらず、いつの間にか出掛けていたのだろうと思い、またその行き先は幼馴染の家だと見当を付け、家を出た。







      「あら、エド、丁度イイトコロに来たわ♪」

       幼馴染のウィンリィがエドワードの顔を見るなり、満面の笑みを湛えて出迎えた。その笑顔が、何故か恐ろしいと思いながら、エドワードは促されるまま患者用のベッドの上に腰掛けた。

      「何が、『丁度イイトコロ』だよ」

       相当の痛みを伴う機械鎧の手術に泣き言一つ零さず耐え抜いたエドワードだが、この幼馴染の、何かを企んでいるような笑顔だけは、やはり怖いと思う。

      「まぁ気にしないで!あっそう、紅茶でも飲む?」

       何の前振りもなく唐突に切り出したウィンリィに、思いっきり怪訝そうな顔をするエドワード。

      「なぁに、そんな変な顔しないでよぉ〜」

      「だってお前、オレに紅茶なんか淹れてくれた事あったか?」

       恐る恐る訊ねるエドワード。

       まるでこの為に用意してあったかの様に診察室にはおよそそぐわないティーセットが、既にセッティング済みでありティーポットからは湯気がのぼっている。

       ウィンリィはそんなエドワードを尻目にカップを手に取る。

      「まぁ失礼ね」

       心外よ、と言うように拗ねた素振りを見せるウィンリィだが、それがかえって恐ろしいと、エドワードは思った。

       しかし、まだ何も返事をしていないにもかかわらず、ウィンリィはカップになみなみと紅茶を注いでいく。

      「はい、飲みなさい!」

       ズイっとソーサーをエドワードに突きつけると、エドワードは受け取らざるを得ず、一応手に取った。

      「…ウィンリィは飲まないのかよ」

       一脚分しか用意していなかったのか、他のカップは見当たらなかった。

      「私はいいのよ」

      「どういう理屈だよ」

      「まぁいいからっさっさと飲め」

       傍らにあったスパナを笑顔で握り締めるウィンリィ。明らかに脅されていると悟ったエドワードは、意を決して一口啜る。

       味は…不味くもなく、かと言って取り分け美味いと言う程でもない。言ってしまえばどこにでもある普通の紅茶だ。

       ウィンリィの態度に大分慎重になったものの、単にウィンリィの折角の申し出に対して自分の態度が気に食わなかっただけなのだと思い、エドワードはもう一口啜った。

       カップで視界を遮り、エドワードには窺えなかったが、その時、ウィンリィは口角を上げて笑っていた。

       エドワードが一気に飲み干しカップを手元のソーサーに戻すと、ウィンリィは一転爽やかに微笑って、「美味しかった?」と可愛らしく小首を傾げた。

       エドワードが「まぁまぁかな」と言おうとした時、胸を押さえつけられるような激痛が走り、座っていたベッドから転げ落ちた。

       手に持っていたカップが、床に叩きつけられ、派手な音を立てた。

       破片が当たりに撒き散らされたが、エドワードはそんな事に構っていられず、心臓の辺りを掴んでもがき苦しんだ。

       まるで心臓が抉られる様だ。

       全身が激しく脈打っている。

       血管中の血液が沸騰したかのように熱い。

       それは骨が溶けるのではないかと思う程。

       

       あまりの激痛に耐え切れず薄れ行く意識の中で、自分の身に起きたことをエドワードは考えた。

       しかし、何が起こったのか一向に理解することが出来ない。やはり、あのウィンリィの行動は何か狙いがあったのだと、それだけははっきりしている。

       意識を手放そうとしたまさにその時、視界の端に映ったウィンリィの、酷薄な笑顔が、映った。

       幼馴染のあんな顔は見たことがない。

       そこでエドワードの意識は切れた。



















         エドワードが目覚めると、先程の苦痛が嘘のように、身体のどこにも異常は感じられなかった。

         床に落ちたはずだが、きちんと患者用のベッドの上で寝かされている。

         もしや、先程の出来事は夢であったのではないかと思える程、日常は恙無く流れているようだった。

         絶え間なく鳴り響いている工具の機械音は、今まさにウィンリィが仕事をしている何よりの証拠だ。

         ベッドから上半身を起こす。始めはボーっとする頭で何も考えることだできなかったが、次の瞬間、エドワードは自分の目を疑った。

         エドワードは、認めたくはないが、自分が平均身長より少しばかり小さい事は重々承知している。しかし、視界に入った自分の足元は、足を伸ばしているにもかかわらず、何もない。

         慌てて視線を手繰り寄せると、身体に大分近くなった場所に、自らの足を見つけることが出来た。

         幾らなんでも、ここまで自分が小さい、とは思っていなかった。と言うより先に自らの異変を危惧した。

         シーツを握り締めていた手を緩ませ、見遣ると、まるで紅葉の様な可愛らしい掌が映った。

         この状況に、普段は利発なエドワードだが、思考回路はショート寸前である。

         確かこの部屋には姿見があった筈だ。

         恐る恐るベッドから降りようとするが、ベッドが高いのか、自分の身に異変があったからか、足を降ろしても床に足が着かない。

         意を決して飛び降りると、一目散に鏡の前に立つ。

         そこに映ったものは、一回り以上体が縮んだ、どうみても幼児にしか見えない己の姿だった。




      ***


        そうそれです。元ネタは、コ●ンです。
        別ネタで、このネタを使おうと思ってたんですけれども、やっぱり書く度胸がなかったので、使いまわし。
        ちょっと変えただけで大分書きやすくなったけれども、やっぱ原作ベースにすると、
        小さくなっちゃったら旅が大変だよね。
        って言うか、これ以上辛い思いをさせたくない!
        とか本気で考えちゃって、だからパラレルにすることにしました。
        おぉ〜初パラレル。

        まだ続きます。
        って言うか、このネタで色々遊んでみるのも楽しいかも(笑)

        ~思考回路はショート寸前〜
        私の世代のバイブルです(笑)

                            27 Jan 2006     MumuIbuki











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