TextAD
無料
-
出会い
-
花
-
キャッシング
-
アクセス解析
涕
あなたが
家を焼いたその日から
覚悟を決めたその日から
幾度と無く
幾夜と泣く
頬を伝う感覚。
それに気付き、そっと目を醒ますと、辺りは暗かった。
レース地のカーテンからは、煌々と輝く月光が、射し込んでいる。
そっと手を頬に添えた。
そして、離して目前へそっと翳す。
月明かりが反射し、それは綺羅綺羅と輝きを放つ。
私には
笑顔で見送ったあの日から
支えると決意したあの日から
一体何が出来る
何をしてあげられる
ふと向ける視線。
星の煌きを背にし、陰影を刻むかのように、その存在を主張するかのように。
果敢なく佇む、嘗ての彼らの揺り篭は、あの日から、姿を代えそこにあり続けている。
戻れない場所。
ふと胸を過ぎる孤独感。
もう戻ってこないんじゃないか。
あの日々、あの頃、・・・あの人。
私達は
共に過ごしてきたあの頃から
分かち合ってきたあの頃から
そう信じてきた
ずっと、一緒だと・・・
幾ばくもない不安感。
それは、私の足を、勝手に前へと突き動かす。
踏み締める先に、迷いは無かった。
真夜中の空気は冷たく、でも不自然に、月夜に抱かれ暖かい。
まるで彼らの、琥珀色の瞳に包み込まれるような安堵感。
交錯した感情を振り解き、駆け上った緩やかな坂。
幾度と通りなれた路は、今は往来をする主は無い。
そこに再び主を迎えよう。
いつになるか、訪れる日があるのか・・・。
理屈や、難しい公式はいらない。
全てを、あの頃を取り戻したあなた達が、戻ってきた時、 全てを元通りに迎えられるよう。
一片の瓦礫も、一欠けの破片さえも残さず拾い上げ。
何も無かったかのように、あの頃の続きを送れる様に。
私に出来ることをしたい。
月光を背中に受けて、
今まで忘れかけていた感覚が過ぎる。
あなた達が私を包み込むかのような錯覚さえ覚えた夜。
***
二人が旅立った後に残された家を見て思ったこと。
このまま二人は、帰るところを失くすのかな?
右手・左足、そしてアルの身体を失ったから。
でも、
全て元通りにしたら、今まで通りには行かないのかな?
私でさえそう思うんだから、二人と一番多くの時間を共有した
ウィンリィなら、切にそう思うんじゃないかって。
この「涕」って漢字、いですよね。
さんずいに弟。
ウィンリィにとって、二人は兄弟みたいなもので、 でも、彼らは泣かないから、ウィンリィが代わりに・・・
みたいな?(笑)
9.Mar.2004 MumuIbuki
ブラウンザでお戻り下さい
女の子
|
お絵かき掲示板
|
ナスカ
|
iPhone修理