※パラレルです(ギャグだけど)
       エド・アルは生身です。
       原作は軽くスルーの方向で。
       (人体練成とかその辺)

      以上に嫌悪感を抱かれる方はブラウンザでお戻りください。

      大丈夫!と言う方は下へスクロールでご覧ください。


















































        お出掛け@ 


       あれから週週間が過ぎた。

       エドワードの体が元に戻る兆しは一向に無い。

       と言うか寧ろ、諸悪の根源であるウィンリィとアルフォンスはその状況を大いに楽しんでおり、エドワードを元の姿に戻すことなど毛頭無いらしい。

      ならば自力で何とかしよう。ちっさくなっても…腐っても科学者の端くれとばかりに、エドワードはその幼い体が抱え込むように文献を読み耽ったものの、やはりその手の文献は、彼の自宅の書庫には無かった。

      せめてその薬の成分が分かれば対処の仕様もあるというものだが、当の本人達は絶対に吐いてはくれなかった。

       

      エドワードは最後の手掛かりとばかりに地下書庫から持ち出した最後の文献の重い表紙を閉じる。この本にも手掛かりらしい手掛かりは何一つ記されていなかった。やはり、「医者の端くれ」と自らを言うだけのことはある。虞らくオリジナルの作品だったに違いない。全くどうして、そんな方面にばかり熱意を燃やすのか。

      エドワードは一つ大きな溜息を吐いて椅子から飛び降りた。

      さして高くも無い椅子だが、その幼い体には十分すぎる程高く、初めのうちはそれだけで腸が煮えくり返りそうになるくらいの怒りを感じたが、今ではこの状況にも慣れつつあった。

      『ヤバイよなぁ。早く元に戻る方法を見つけなきゃ』

       パタパタと足音を立てながらエドワードは本を戻しに地下書庫に向かった。

       

      「エドー。ちょっと来てぇー」

       ウィンリィが呼ぶ声を聞いて、エドワードは地下書庫からひょっこり顔を出した。

      「なんだ、そんなとこにいたの」

       ちっさいから見つからないかと思った、とまたエドワードをからかうウィンリィは、いつものつなぎ姿ではなく、よそゆきの格好をしていた。

      「なんだ、出かけるのか?」

       地下に降りる梯子を攀じ登りながら、エドワードはウィンリィを見上げる。

      その梯子にしても、元の体の時は感じなかったが、一段一段の間隔がやたら高い。実に不親切な設計だと内心憤慨していたが、それを口にしたものならウィンリィがなんといってくるか。それを想像しただけで、決して口にはするまいとエドワードは思った。

      「うん、買い物。エドも付き合ってよ」

       ねっ、と微笑む幼馴染の笑顔に若干作られた感が否めなかったが、このところ家に閉じ籠もって文献ばかり読み漁っていたエドワードは、偶には外出も気分転換にいいか、とあまり深く考えずにその誘いを受けた。

       

      「その前に」

       更に笑顔を輝かせながら、ウィンリィはまだ半分地下に埋まっているエドワードの腋に両手を滑り込ませ、ヒョイと引き抜いた。

       バタバタと抵抗を見せるエドワードだが、当然力では敵わない。

       抵抗も空しく、そのままリビングへと連行された。

       リビングには、新聞を広げてソファーで寛いでいたアルフォンスがいた。

       ウィンリィがリビングに入ってくるのを確認すると、広げていた新聞紙を折りたたみソファー脇のマガジンラックへ落とした。

      「遅かったじゃないか」

      「エドがまた地下書庫に潜り込んでてさ、探すのに苦労しちゃったよ」

       笑顔で遣り取りされる会話を腋に抱えられた状態で聞きながら、エドワードは内心驚いた。

       それは、地下書庫に入り浸っていることは二人には内緒だったからだ。

       二人にとって、この体のエドワードは格好の玩具らしい。それなのに元の体に戻す方法を探していると悟られれば…彼らに何をされるか。それを考えただけで背筋が凍る思いだった。

       緊張して固まっているエドワードを知ってか知らずか、二人は構わず会話を続ける。

      「じゃあさっさと準備をして出掛けるとしますか」

       そう言って、ウィンリィは抱えていたエドワードを正面に下ろす。そして、アルフォンスは立ち上がると、ソファーの反対の脇に置いてあった紙袋を手にして二人に近づいて来た。

       訝しい表情でその紙袋の中身を見ると、エドワードは露骨に嫌な顔をした。

       紙袋の中には、何処で仕入れてきたのか真新しい子供服があった。しかも女児用のもの。

      「やっぱりエドには可愛いワンピースを着てもらわなくちゃ!」

       一人盛り上がるウィンリィ。両指を絡めさせ頬の横で握り締めている。その笑顔からはハートマークが飛び出ているような錯覚さえ覚える。

      「折角譲歩したんだから、髪型はツインテールだからね」

       一体何を譲歩しているのかは知らないが、また無茶苦茶なオプションが追加される。アルフォンスの手にはウサギさんがついた髪留めが握られている。しかも二つ。

      「分かってるっ、分かってるて!」

       笑顔で袋からワンピースを取り出すウィンリィ。

       そのワンピースはピンク地で裾にこれでもかと言うほどレースがあしらわれている。どうやら裾のヒラヒラした服が、ウィンリィのお好みらしい。

      (だからと言ってそれを俺に強要するなよ)

       眉間に指を当ててげんなりするエドワードなどお構いなしに、さぁ、と着替えさせようとする。

       この姿になったあの日、抵抗しようとすれど敵わず、逆に火に油を注いだ結果となり必要以上の服を着せられたエドワードは、今日は碌に抵抗を見せず渋々着替えた。

      「うわー可愛いよ、兄さん」

      「だから言ったでしょ、エドには絶対こういう服が似合うんだから!」

       必要以上に力を篭めて力説するウィンリィに、激しく同意するアルフォンス。

       じゃあ今度は髪を結ってしまいましょう、といつの間にか手にしたブラシを片手に、じりじりと近づいてくるウィンリィ。

       それだけは、ウサギだけは勘弁とばかりに逃げ腰のエドワードを、がっちりとアルフォンスが掴まえる。

       退路は断たれた。

      (嗚呼、俺が元の姿に戻れる日はおとずれるのだろうか…)

       アルフォンスの膝の上に抱えられ、脇ではウィンリィが楽しそうにエドワードの髪を結っていた。






    ***

      うっかり続編書いちゃった(^^;
      否でもこれ楽しいです。
      もっちょっと続きます。

                        Mar 15 2006     MumuIbuki











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