wrist






      「遅っいぞー早くしろ、エドー」

      憎まれ口を叩きながらも、キラキラと瞳を輝かせた満面の笑みを湛えたウィンリィが、後からついてくるエドワードに手招きをする。

      そんな幼馴染の様子に、エドワードはやれやれといった様子で渋々後についてくる。



      辺りをキョロキョロと伺って、一歩踏み出そうとしたウィンリィだったが、歩道の段差に足を取られ、体勢を失った。

      倒れる、っとウィンリィが身構えた瞬間、追いついたエドワードは咄嗟にウィンリィの手首を掴み、間一髪のところで彼女の体を支えた。

      「っとぉ、ありがとう」

      ふらついた足を立て直し、エドワードを振り返ったウィンリィは怪訝そうな表情を浮かべる。

      「どうしたの?」

      立ち上がりざま、覗き込んだエドワードの瞳には困惑の色が交錯していたのだ。

      「い、いや、なんでも…」

      まだ言い終わらないエドワードを不思議に思いつつも、ウィンリィは立ち上がると、

      「ところで、いつまで握ってるの?」

      と、手首をエドワードが見えるように掲げた。

      「わぁっ、あ」

      支えてくれた時とは裏腹に乱暴に振り払われ、自由になった手首を摩りながら、

      「変なの?」

      と言ったウィンリィの言葉は、最早エドワードの耳に届くことは無かった。



      そのまままた何事も無かったかのように進み始めるウィンリィの後に従いながら、エドワードは、左手を握ったり開いたりしていた。

      (あんなに細かったっけ、ウィンリィの手って)



    ********


      エドが出したては左手です、念の為。
      幼馴染が女だと理解した瞬間…
      みたいな?(逃)
      4.Nov.05 息吹・拝


        *****



      拍手SSの転載です。

女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理