TextAD
無料
-
出会い
-
花
-
キャッシング
-
アクセス解析
木洩れ日の詩
旅人は道を見失っていた
彼が何処から来て何処へ向かっていたのか
彼自身にも定かではなった
何を目指して旅に出たのか
軌跡すら振り返っても見えない
此処まで来た道程は何だったのか
ただ痛みだけが体中を蝕むばかりだ
途方に暮れた旅人は
丘に群生する中で一際大きく鮮やかな新緑を称えた
大樹を見つけた
旅人は恐る恐るとその大樹へと歩みを進める
そこは彼の目指すものとは違う
そう彼自身に言い聞かせながら
木の根元に辿り着くと
大きく包み込まれるような
安心感がそこにはあった
旅人は傷ついていた
何故こんなにも体に無数の傷を拵えたのか記憶は曖昧だったが
大樹から差し込んでくる柔らかい陽射しは
彼を癒してくれるかのように燦々と降り注いでいた
葛藤の中で旅人は
揺ら揺らと差し込んでくる柔らかい陽射しに誘われて
お日様の匂いのするような優しさに包まれているみたいな
木洩れ日の陽射がまるで子守唄のように注ぎ込んでくる
安らかな心地にうとうとと瞼を重ね合わせていた
旅人は目を閉じると
大樹の子守唄に合わせて
知らず知らず何かを口ずさんでいた
大樹が子守唄を詠うのを止めても
まるで何かを模索するように
それはそれは沢山の言の葉が旅人から紡がれた
大樹は慈しむように旅人を包み込んでいた
まるで長い長い夢を見ているようだった
再び目を開くと
まるで嘘だったかのように
目の前に道が開かれている
それは幾重にも枝分かれし
様々な方角へと向いていた
辿り着く先は地平線の遥か彼方で見渡すことは出来ない
それでも
この道を行くんだと
自らが選び
分岐では悩み
その道中は彼自身の糧になることを
誰でもない彼自身が告げているのが分かった
見上げると大樹はさわさわと優しく木の葉を揺らしていた
それは見送りに手を振っている様でもあった
遠く離れた今でも
振り返ればそこに
大樹は優しい木洩れ日の中で詩を奏でる手伝いをしてくれる
道を示す為の
限り無く広がった
無数の言の葉を
***
Mar 31 2006 MumuIbuki
ブラウンザでお戻りください
女の子
|
お絵かき掲示板
|
ナスカ
|
iPhone修理