名前を与えようと

気紛れにあなたは言ったわ

だからわたしも気紛れに

同意すればよかった

けれども曖昧に微笑って

はぐらかしてしまった

ざわざわと何かが腕を伝う錯覚

気紛れな感情に振り回されそうで

固執してしまいそうで

依存してしまいそうで

名前を与えると言う行為が

何かを縛るために

手段のように思えてしまうの

そしてわたしはあなたをも

縛ってしまいそうで

縛られているのは

ほんとうはわたしなのかもしれないけれども

――名前を与える行為は

　　それが自分のものであると言う証――

まるで、そう

縛っているのも縛られているのも

わたしじしん

既に固執してしまっていて

そこから抜け出せなくなってしまうから