夕暮れの時間 




      「とりっくおあとりぃと」

       

       にっこりと微笑んでいる杜影月は、せっせと夕餉を拵えている香鈴に言った。

       辺りには湯気が立ち込めていて、いい香りがする。

       しかし、まるでなにかの呪いを唱えているかのような意味不明な言葉を発した影月に、香鈴はしかめっ面を向けた。

      「なんですの、その可笑しな言葉は」

       ぷいと顔を逸らして、再び夕餉の支度に戻る香鈴。影月は乾いた笑いを零す。

      「なんでも、海の向こうでの風習らしく、『お菓子をくれないと悪戯しちゃう』って意味らしいんです」

      「・・・」

       再び影月を振り返った香鈴は、絶句した後大きな溜息をついた。何処からつっこんでいいものやら。

      「龍蓮様からお聞きになったのですか」

       隣では影月が、動きが止まった香鈴の右手から、握っていた擂粉木をすっと取り、胡麻を磨り潰し始めた。

      「はい。ホント、龍蓮さんって他国に精通していて、話を聞いていて勉強になりますー」

       香鈴ははっと我に返り、手持ち無沙汰になったことを誤魔化すように、濛々と湯気をあげているお鍋の蓋を開けた。

      「お、お夕餉の前にお菓子など召し上がったら、菜理を召し上がれなくなってしまいますわ!」

      「あ、そうですよね。すいませんー」








    ***


      初書き『彩雲国物語
      ブログでもちょこちょこ独り言言ってたけど、
      断っ然、影月×香鈴派です。

      初書きなんで、いろいろ全ておかしいです。
      書いてて難しかったです。
      中華風は書いたことないんで。
      単語が特に。
      間違いだらけだと思う。

      でも、書きたかったの。影月×香鈴。
      でも、難しかったから捏造で季節ネタ。

      今後も書いていくかは未定。
      (書きたいけどね)




                       28 Oct 2006 MumuIbuki





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