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そんな毎日を繰り返し、ついに卒業式となった。
私の学校は四年生からしか卒業式に出席出来ない。
クラスの子達は平日の休みと言う事で喜んでいたけれども、私は逆に卒業式に出たかった・・・
卒業式の前の日の夜の事でした。
「明日で太一も小学校卒業ね。もう春休みなんだし明後日にでも部屋を別けましょうか?」
「えっ?明後日?あれって冗談じゃなかったの?」
「何言ってるのよヒカリ。お兄ちゃんももう中学生になるのよ、いい加減別々の部屋にしなきゃ」
「何だヒカリは甘えん坊だなぁ」
「えっでっでも、まだ平気じゃない?ほら中学生になったらなんだから。春休み入ってすぐじゃなくっても」
「ほら善は急げって言うし。ね、そうしましょうよ」
お母さんの一言で明後日いよいよ部屋を別ける事になった。
冗談だと思っていたのに・・・。
妹なんてやっぱり嫌だ。
たとえ兄妹じゃなくても小6が小3を相手にするワケが無い。
同い年だったらよかったのに・・・。
同い年の女の子、空さんが羨ましい・・・。
お兄ちゃんの晴れ姿を見るために、私は休みだから早起きしてお兄ちゃんを見送った。
お兄ちゃんもお母さんも「もっと寝てればよかったのに」って言ってたけど、寝てなんかいられない。本当はくっついて行きたいくらいなのに。
その日のお兄ちゃんはいつもより増してカッコ良かった。
いつものラフな格好も似合うけど、こういう正装も似合う。
大人の印象だ。
でもそんなお兄ちゃんを見ているのは嬉しいけど、お兄ちゃんが私から離れていってしまう感じがした。
お兄ちゃんとお母さんが学校に行き、私は家に一人になった。
最後にと思って部屋を眺めていたら、去年私たちをデジタルワールドへ導いてくれたデジバイスが目に入った。
本当に不思議な力を持つこの機械はこっちに戻って来てからは時計としてでしか機能しなくなってしまった。
この不思議なデジバイスで私を『お兄ちゃんと同い年の妹では無い女の子』にしてくれないかなぁ、なんてバカな事を考えてしまった。
デジバイスにこんな事出来るワケ無いか。
一人で苦笑いしていると突然電話が鳴った。
だれだろう?そう思いながら受話器を取ると、懐かしい声が聞こえてきた。
「もしもし高石ですけど八神さんですか?」
「あっタケル君?」
「あっヒカリちゃん?」
懐かしい。約1年半ぶりかな?さっき考えていたデジタルワールド以来の会話かもしれない
。 「久しぶり。元気?」
「タケル君こそ元気?でもどうしたの?何か用?」
タケル君からの電話なんて、全然用件が想像できない。
「実はね、今日はお兄ちゃんたちの卒業式じゃん。お兄ちゃんは『来るな』って言ったんだけどどうしてもお兄ちゃんを見たいんだよね。
だから一緒に行かないかなぁって」
考えもしなかった。行っちゃおうなんて。
タケル君って凄いなぁ。でも・・・。
「でも、そんな事したら怒られちゃうよ?」
私には勇気が無かった。
もしお兄ちゃんに見つかったら。
ううん、もしお兄ちゃんが誰かに告白されてたら・・・。
だって卒業式ってそう言う物でしょ?
(誤)
「平気平気!バレ無い様にすれば。それにもうぼくお台場まで来ちゃってるんだ」
「えっ!!そっそうなの?今どこ?」
タケル君って行動が早いなぁ。
「えっと実は・・・」
「何?声が小さくて聞こえないよ」
「・・・分かんない」
???
「道に迷っちゃったんだv」
何―――――――!
タケル君が言うには、私に電話した理由はやっぱり一人は心細いから。
でも一番の理由は道に迷ったからだったらしい。
それにこっちで頼れる人はヤマトさんかデジタルワールドを一緒に旅した選ばれし子どもだけだから。
その10分後、私はタケル君を見つけ出し一緒に学校へ向かった。
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