そして放課後、京は賢の自宅へと向かった。
(大丈夫。例え振られても覚悟は出来てる・・・)
暫く待っていると賢が帰ってきた。
「あれ、京さん。どうしたんですか?」
こんな所で京と会うなんて思っていなかった賢は驚いた表情だった。
「・・・」
「どうしたんですか?」
黙ったままの京に心配そうに尋ねた。
「あの・・・昨日の娘・・・」
「昨日の子?」
賢は不思議そうな顔をしていた。
「昨日、私ここに来たの。それで、そんなつもりじゃなかったんだけど、見ちゃったの。
あ、あの娘からプレゼント受け取ったの?」
京は自分を急き立てるように言った。
案の定、賢は呆然としていた。
そして、突然笑い出した。
「な、何が可笑しいのよ!」
京は、自分が決死に覚悟で言ったのに、笑っている賢が理解できなかった。
「あっいや、すみません。京さんがそんな事言うなんて思ってもみなかったから」
京は益々分からず、困惑した顔をした。
「貰ってませんよ」
賢は微笑みながら言った。
「嘘、じゃあ何で暫く黙ってたのよ!」
今度は怒り出した。
「あぁ、だってそんな事初めてだったから驚いちゃって」
(空さんの言った通りだ・・・)
「じゃあ何で受け取らなかったの?」
「何でって、別にその子の事よく知らないし」
「あんなに可愛かったのに、勿体無い!」
「じゃあ貰えば良かったですか?」
「そんな事言ってない!」
京は今にも泣き出しそうだった。
「すみません京さん」
京の顔をみて、ちょっといたずらが過ぎたかな?と賢は思った。
「・・・」
「京さん?」
京は暫く黙ってしまった。
「じゃあ・・・」
京が漸く口を開いた。
「何ですか?」
「1日遅れですが、受け取ってくれますか?」
京は小さな声で、下を向いたまま、抱えていた”モノ”を突き出した。
賢は暫くしてから、小さな声で『ありがとう』と言ってそれを受け取った。
“それ”は真っ白な毛糸のマフラーだった。
決して格好のいい物ではなかったけれども、賢は『暖かい』と言った。
京は泣きながらその言葉を聞いた。
その後、賢は家まで送るといったが、京が嫌だと言ったので、せめて駅までは送りたいと言い、
京はそれに小さく頷き、帰っていった。
おまけ・・・
でも、「雨降って地固まる」じゃないけど、1日ずれる事によって、京らしく仕上がった気が・・・(殴)
何か最後に変なもの追加してしまいました・・・
私のホンノ出来心です。
お目見汚し、すみません
管理人:夢萌