私は急いで『ごめんなさい』とメールを打った。
暫くして返事が返ってきた。
携帯のディスプレイには、ただ私に1番に結果を伝えたかった事と、他に何も書かなかったことを詫びたメッセージが表示されていた。
そしてそのことを知ったみんなに叱られたとも書いてあった。
そして賢君から『雪が降ったら会おう』とそれだけ返事が来た。
わたしは、『うん』とだけ返事をした。
そして、雪が降らないまま受験シーズンとなってしまった。
私はあの日以来、毎日雪が降ることを祈っていた。
私が毎日毎日祈ったにもかかわらず、遂に受験日の前日になってしまった。
『とうとう雪、降らなかったな・・・』
その日の夜は、何時に無く冷え込んでいた。
「京〜」
リビングからお姉ちゃんが呼ぶのが聞こえた。
「なぁに?」
私は不貞腐れた顔で部屋から出た。
「なにその不っ細工な顔。ブスが余計ブスになるわよ」
お姉ちゃんは私をからかうのがそんなに面白いのか、笑いながら言った。
「ふん!余計なお世話よ!で、何か用なの?」
「あっそうだった。あんたに電話よ」
「へっ?」
受話器を受け取る時『彼氏?』とお姉ちゃんが冷やかしたので“まさか!”と思った。
「もしもし?お電話代わりました」
私は期待を隠さずにはいられなかった。
「あ、京か?おせーんだよ」
聞こえてきたのは憎まれ口を叩く大輔の声だった。
「なぁんだ、大輔か」
「ってお前最近俺に冷たくないか?」
「気のせいよ」
私は自分の勝手な期待を裏切られた腹いせに思いっきり素っ気無く言ってやった。
「まぁ、今日のところは許してやる」
「それはどうも」
私はもう電話を切りたい気分だった。
「・・・とうとう明日だな・・・」
「・・・」
大輔があんまり突然聞くから、私は絶句してしまった。
「京?聞いてんのか?」
「きっ聞いてるわよ!だから何だって言うのよ!」
「えっ、いや、落ち込んでるんじゃないかと思って・・・」
大輔にしてはすごく気が利かせたつもりなのだろう。
「だから、それが余計なお世話だって言うのよ!大体降ったとしてもこんな大切な時期に会える道理が無いわ!」
「そんな事言ったって・・・」
「用件はそれだけ・じゃあ切るからね!」
そう言って私は電話を思いっきり切った。
「何?彼氏とケンカ?」
そんな私の様子を見てまたお姉ちゃんが冷やかしてきた。
「彼氏じゃない!!」
「おぉ怖っ!」
気が付けば、私はお姉ちゃんに八つ当たりをしていた。
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