(うぅ―寒い。)
私は寒さで目が覚めた。
「!」
その時、外の不思議な気配に気がついた。
カーテンを開けてみるとそこは白銀の世界だった。
(何で・・・?)
私は一瞬頭の中が真っ白になった。
突然、携帯が鳴った。
慌てて取ると、メールではなくて電話の方だった。
相手は・・・
(賢君・・・!)
「もしもし!」
私は思わず大きな声を出してしまって、家族が起きてしまったのではないかと廊下を見渡した。
(大丈夫だったみたい)
「京さん、こんな時間に失礼します。」
「いいのよ!私も声が聴けて嬉しいわ」
「外、見ていただけますか?」
「・・・うん、見てるわ」
「じゃあそのまま右へずれて、3本目の街路樹の根元を見て下さい」
私は疑問に思いながらも言われた通りに目線をずらした。
「あっ!」
私は思わず声を出してしまった。
「賢君・・・」
そこには会いたくて会いたくて堪らなかった賢君が立っていた。
「なんで・・・」
「だって約束したじゃないですか」
「でも、明日は大切な日なのに」
「受験より京さんの方が、僕にとっては大切です」
「///」
電話でよかった、と心から思った。
「今行くわ」
私はそう言って電話を切った。
私が賢君の所まで走っていくと、賢君は微笑みながら私を迎えてくれた。
「・・・あっあの、」
久し振りに会ったこともあり、中々上手い言葉が思いつかなかった。
「良かったですね」
「何が?」
賢君の唐突な言葉に私は不意を打たれた。
「その方がいつもの京さんらしいですよ」
私はまた赤面してしまった。
「見て!」
私は誤魔化す様に振り返った。
「なんかさぁ、こうして私達以外誰も居ないと、雪がダンスしてるみたいに見えない?」
一瞬、賢君が黙ってしまった。
「京さんってロマンチストですね」
そう笑いながら言った。
「なぁに?私がロマンチストじゃ悪い?」
私の声も、言葉とは裏腹に笑っていた。
彼女に頂いた作品とは雲泥の差ですが(比べるのも失礼)コレはERI差し上げた駄文です。
管理人:夢萌