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クリスマスを迎えた日のこと、拓也たちはいつものようにデジタルワールドを彷徨っていた。
辺りはクリスマスというには程遠い気候で、あまりの暑さに、彼らは一言も口を利かずに歩き続けていた。
「あぁ〜もうクリスマスなんだよなぁ」
独り言とも取れる、何気ない拓也の発言に、みんなの視線がその発信者に向けられた。
「そう言えばそうねぇ。私たちも何かやりましょうか?」
泉はみんなを見回しながら言った。
「僕はヒーローになりたい!!」
列の真中にいた友樹は先頭に走っていき、振り返り様に威勢良く言った。
「いいねぇ、泉ちゃんに賛成!」
友樹にはお構いなしに、淳平は話を元に戻した。
「でも、こんな気候じゃとてもクリスマス気分にはなれそうにないなぁ」
輝二は別に悪気はないのだが、つい口が滑ってしまったのだ。
「そんなの、別にいいじゃねーか」
案の定、拓也は輝二に食って掛かっていった。
「もぉ、やめなさいよ」
泉はいつものように、二人の仲裁に入った。
そして、その様子を後ろから静かに眺める存在があった。
その夜、みんなが寝静まった後に動く物影がひとつあった。
その影は、みんなから離れ、近場の高台まで登っていった。
高台に着くと、影は足を止めた。
(クリスマス・・・か・・・アイツ、覚えてるのかなぁ)
影は寝転がり、じっと空を眺めていた。
しかし、その雲は鈍よりと曇っていて、星空はおろか、あまり綺麗なものではなかった。
TOY BOX
雪の降る夜、一軒の家から何とも微笑ましい歌声が聞こえてきた。
その家には幼い双子の兄弟がいた。
今年、彼らは漸くクリスマスを祝えるまでに成長した。
彼らにとって、今年が初めてのクリスマスと言ってもいいだろう。
気が付くとその歌声は止み、賑やかな笑い声がその家を包んでいた。
二人は美味しそうにケーキを頬張り、二人は見合ってはニコニコ笑っていた。
すると父親が二人に大きな箱を一人づつ渡した。
それを見ると、二人の目は一層輝きを増し、ケーキそっちのけでその包み紙を開けた。
中身を取り出すと、一人は立ち上がり、父親に「ありがとう」と溢れんばかりの笑顔で言った。
しかし、もう一人、弟の方は、中身を手に持ったまま、頬っぺたを膨らまして座ったままだった。
父親が弟に近づき「どうしたのか」と問うと、弟は「あっちがよかった」と兄の持つ玩具を指差して言った。
兄は弟の発言にはっとし、とっさ咄嗟に持っていた玩具を後ろに隠してしまった。
その様子に弟は泣き出してしまった。
父親は、弟を宥めようとしたが、一向に泣き止まず、兄に「お兄ちゃんだから」と言ってその玩具を弟に渡してしまった。
代わりに兄の手にあるのは、弟の物になる筈の玩具だった。
弟は自分の気に入った玩具が手に入り、嬉しそうに辺りを走り回っていた。
兄はその場に立ちすくしていることしか出来なかった。
弟はあまりの嬉しさに、寝るまでずっとその玩具を離さなかった。
しかしその様子は、ずっと我慢してきた兄を爆発させてしまった。
兄はわんわん泣き出し、それの様子は普段の兄からは想像も出来なかった。
始め、弟はそんな兄の様子にきょとんとしていたが、次第に兄につられ泣き出してしまった。
そんな二人を宥めようと、両親は二人をあやしたが、勢いを増すばかりで、どうにも出来なかった。
暫くすると二人は泣き疲れたのか、ぐずりながら眠ってしまった。
朝になり、兄が目を覚ますと、枕元にある靴下の中に昨日とは別の包み紙の箱と見覚えのある玩具が入っていた。
取り出してみようとすると、何かが覆い被さって起き上がれない事に気が付いた。
カーテンからこぼれる朝日の隙間からそれを見ると、弟が兄にぴったり寄り添って眠っていた。
兄は弟を起こさないように起き上がり、靴下の中を覗き込んだ。
そこには、昨日弟に取られてしまった玩具が入っていた。
驚いた兄は、弟を起こそうとしたが、弟はすでにベッドにちょこんと座っていた。
そして弟は「ごめんんさい」と言って深く謝った。
そんな弟のしぐさを見て、兄は恥ずかしさを隠すように「靴下をみて」と言った。
弟は促されるままに靴下から箱を取り出し、二人でそれを開けた。
そこには、お揃いの玩具が入っていた。
二人は嬉しそうな笑みを浮かべ、お互いを見合っていた。
輝一は肌寒さを感じ、起き上がった。
すると空から何かがひらひらと、彼の頬に落ちてきた。
輝一がそれを指先で触れると、もう跡形もなく消えていた。
それを合図にするかのように、沢山のそれが降りてきた。
雪が降り出したのだ。
(まるであの日だな・・・)
輝一は立ち上がり、元来た道を下り始めた。
雪は次第に勢いを増し、それにつられるかのように輝一の足取りも速くなった。
「みんな、起きてみろ、雪が降ってきたぞ」
輝一はみんなの元に着くなり、彼らを起こした。
拓也達は、いきなり起こされた事に初めは腹を立てていたが、周りの状況に気づくと、眠気などどこかに吹き飛んでしまったかのようにはしゃぎだした。
輝一は、みんながそれぞれ雪を楽しんでる様子を、少し離れたところで見ていた。
すると、後ろからの気配を感じた。
振り返ると、そこには輝二が立っていた。
輝二は微笑を浮かべ、輝一をみんなの元へ連れて行った。
輝二は輝一の記憶など知る由もなかったが、輝一にはそれだけで十分だった。
***
つまらないですね・・・
別にいいです、私の書くものなんてこんなもんですよ。
端から期待なんてしてないです。
クリスマスって事で、兄弟ネタにしたんですが(理由不明)・・・見事玉砕!
にしても、私は兄弟ネタは回想が好きねぇ。
まぁ書きやすいってのもあるんですが・・・
あっ、回想に台詞が少ないのは、本人曰く絵本っぽくしたかったかららしい。
全く無理にも程がありますね。
TOY BOXってタイトルも無理がある・・・
管理人:夢萌
☆☆☆↑当時の後書き↓更新時の考察
ファイルの整理をしていたら出てきたもの。
「桃源郷」の頃のX’mas企画で書いたものだから・・・
2002年かなぁ?これ書いたの。
すっかり存在すら忘れていた(^^;
ので、今更アップです。
まだ他にも眠ってそうで怖い・・・(滝汗)
10.Nov.2004 MumuIbuki
ブラウンザでお戻り下さい
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