TextAD
無料
-
出会い
-
花
-
キャッシング
-
アクセス解析
冷たい空気の中、空では黄金色の月が眩しいほど輝いていた。
そして、今年の終わりを告げる除夜の鐘が、『ゴ〜ンゴ〜ン』と響いていた。
ずっと一緒に・・・
「やっぱり外はさみぃな・・・。分かってはいたけど」
宍戸は冷えきった手を擦り合わせながら言った。
「お前が初詣したいって言ったから来たんだろ。文句を言うな」
宍戸と同様に、跡部も寒い手をコートのポケットに突っ込んだまま言った。
「別に文句なんて言ってねーだろ」
ブスッと顔を膨らませて言った。
そんな顔ですら可愛いと思ってします跡部は、『もう末期かな』と密かに思った。
「オラッ、手を出せ」
跡部がコートに突っ込んだままだった手を宍戸に向かって指し出した。
宍戸は『?』と思ったが、言われた通りに擦り合わせていた手を出した。
するとその手を跡部が握った。
「うわっ!!やめろって、誰かに見られたりしたら・・」
宍戸は手を繋がれた事が恥ずかしく、顔を真っ赤にして拒否をした。
「バ〜カ。こんなマイナーな神社に行くヤツなんていねーよ」
跡部と宍戸は人混みが苦手で、有名な神社には行かず近くの神社に向かっていたのだ。
近くの神社までの道のりは住宅街から少し離れているため、跡部と宍戸以外の人は誰も見かけない。
「チッ。分かったよ」
そっぽを宍戸は向いてしまったが、跡部に握られた手を軽く握り返した。
そんな宍戸がとても愛しくて、跡部は優しく笑った。
「さっさと行くぞ。除夜の鐘が鳴り終えちまう」
そう言って宍戸の手を引いて、神社までまた歩き出した。
神社に着くと、そこにはやはり誰も居なかった。
「やっぱ誰もいないな」
「あぁ、そりゃそうだろうな」
「後何分くらいだ?」
宍戸に問われて、跡部は自分の腕時計を見た。
「・・・一・二分って所だな」
「そっか」
二人が話す度に吐かれる息はとても白く、ここがどれほど寒いのかが分かる。
そして、二人の手は繋がれたまま・・・。
「今年は色々あったな・・」
宍戸は今年を振り返るように、夜空を見上げながら言った。
「あぁ、そうだな・・」
跡部も宍戸と同じように夜空を見上げた。
「レギュラー落ちして」
「だけど、お前は戻って来たじゃねーか」
「・・・長太郎と景吾のおかげだよ。俺1人の力じゃねー」
「何言ってやがる。お前の努力の結果だろ」
「景吾・・・有難う」
ニコッと宍戸は笑い、跡部にお礼を言った。
ふと見上げた空は、月と星が眩いほど輝いていた。
それは、東京からはあまり見る事が出来ない光景だ。
ゴ〜ン・ゴ〜ン・・・
その時、今年の終わりを告げる最後の鐘の音が鳴り響いた。
跡部と宍戸は向かい合って、新年の挨拶を交わした。
「「新年明けましておめでとうございます」」
「景吾、高等部に行ってもよろしくな!」
宍戸はニッと笑って言った。
「フッ。当たり前だろ」
「同じクラスになれっかな?」
「なれるに決まってるだろう?」
「ハッ?何でそんなの分かるんだよ」
宍戸は跡部の自信満々の言葉に疑問を持ち、聞いてみた。
すると跡部はニヤッと笑い
「学園長に頼むからだ」
「ばっ!お前何言ってんだよ!!」
宍戸は跡部のめちゃくちゃな言葉に驚き、叫んだ。
「何だ?俺と同じクラスになりたくねーのか?」
跡部はてっきり宍戸が喜ぶと思い、学園長に頼む気満々だったのだ。
それなのに、宍戸の反応が思っていたのと違い、ムスッとした顔で言った。
「嫌・・同じクラスにはなりたかったけど・・」
「ならいいじゃねーか」
「だっだけどよ・・・それって、いいのか?」
たかが一般生徒がクラスメートを選ぶなんて事を・・・。
「いいも悪いも何も無いだろう。たかが学園長ごときが俺様に意見出来るはずねーだろ」
そうなのだ。跡部は“たかが”一般生徒では無いのだ。
跡部財閥は氷帝学園に莫大な寄付金を援助しているのだから。
「・・・・・お前って、ほんと・・すげーヤツだよ・・・」
宍戸は跡部の常識の通じない思考に呆れ、大きな溜息を吐いた。
「当たり前だろう。安心しろ、三年間同じクラスになれるよう頼んでおくから」
「・・・・ありがとよ。でも、これで景吾も浮気できねーな」
「するかよ。俺はお前に惚れてんだから」
恥かしげもなく、そんなセリフを吐く跡部に対して宍戸は顔を真っ赤にして言った。
「でも、お前・・女子と仲良いじゃねーか・・・」
「何だ?亮、妬いてるのか?亮が嫌だって言うなら、これから一切話すのやめるぜ?」
「べっ別に妬いてなんかねーよ!!」
そう言って顔を反らした宍戸の耳は真っ赤に染まっていた。
そして、宍戸は跡部から手を離して、境内に向かって走った。
「オイ!お参りしようぜ」
少し跡部から離れた所で跡部の方に振り返り、手を招きながら言った。
そんな宍戸の態度がとても可愛いくて、跡部優しく微笑みながら宍戸の方に歩いて行った。
「あぁ、そうだな。折角お参りに来てんだしな」
跡部と宍戸は境内の前に並び、お賽銭をしようと財布から5円玉を出した。
そして二人同時に5円玉を投げ、一緒に縄を持ち鐘を鳴らした。
パンッ・パンッ
跡部と宍戸は両手を合わせ、眼を瞑った。
そして、二人は自分の願いを心の中で唱えた。
願いを唱え終わった跡部と宍戸はゆっくりと眼を開いた。
「景吾は何をお願いしたんだ?」
「ん?そういうお前は何だ?」
質問をした宍戸は逆に質問され「えっ・・とな・・」と言いながっら言った。
「俺は『高等部でも正レギュラーになれますように』って願った」
「ふ〜ん。まっ、俺は即正レギュラー入りが決まっているけどな」
跡部はニヤッと笑いながら言った。
「グッ・・・・」
跡部の実力は高等部でもトップクラスで、すぐにレギュラー入りが決まっているのだ。
「だけど所詮は神頼みにすぎねー。亮の努力次第だな」
「分かってんよそれぐらい。俺だって神頼みで正レギュラーになれるとは思ってねーよ。努力はする」
「まっ、努力ってのはお前の得意分野だもんな」
「それしか俺には無いからな」
宍戸は意思の強い瞳で跡部を見て言った。
「・・・・。今度は俺がお前の特訓に付き合うぜ」
「景吾?」
「俺にも手伝わせろよ。お前の“努力”によ」
「・・サンキュ」
ヘヘヘッ。と照れくさそうに笑いながら宍戸は跡部にお礼を言った。
「そろそろ帰るか?」
跡部が腕時計を見ながら言った。
「そうだな」
宍戸も跡部の意見に賛成した。
跡部は歩き出し、その後ろを追いかけるように宍戸が歩き出した。
そして一瞬ためらったが、宍戸は跡部の腕に自分の腕を通した。
跡部はいつもの宍戸なら絶対にしないであろう行動に驚き、宍戸の横顔を覗いた。
「なっ・・なんだよ」
宍戸は顔を真っ赤にさせて跡部を見た。
「いや・・別に。」
跡部はそんな宍戸の態度が可愛いと思ったが機嫌を損ねてもいけないと思い、あえて何も言わなかった。
宍戸は気付かなかったが、実は跡部の顔もほんの少しだけ赤くなっていたのだ。
そして、帰り道。
二人とも心の中で、同じ事を思っていた。
『今年もきっといい年になるだろう・・・』
***
林檎様からのキリリク12900番。
すっすいません!!!たいっっっへん、遅くなりました。
それにリク内容が『CPは跡宍がいいです。内容は季節(行事)』だったのに・・・。
そして正月ネタを受けたのに・・・今って正月?
ちっ違うよ〜〜!!どっちかっていうとバレンタインに近いんじゃない?
本当に申し訳ないです・・・ごめんなさい。
いつもと同じく、なんか微妙に甘くなってしまった。
これって跡部様と亮くんじゃないよ〜〜!!
いつも私の書くキャラは儀者になってしまう・・・。
ハァー、情けない。
ではでは、林檎様。キリリク有難う御座いました☆
管理人:友永
ブラウンザでお戻りください
女の子
|
お絵かき掲示板
|
ナスカ
|
iPhone修理