TextAD
無料
-
出会い
-
花
-
キャッシング
-
アクセス解析
何が起こったのか、私のこのちっぽけな頭じゃ、理解しようとも、全然働かない。
寧ろ、本能のまま、ただ泣く事しか出来なかった。
こんな事なら、変な意地なんて張るんじゃなかった。
だから、こんな事になってしまったんだ。
今までだったら、絶対に賢君が折れてくれて、それはどんなに私が悪かったって、
賢君は笑って私を受け止めてくれた。
それが今回は無かった。
つまりは、そんな私に、とうとう愛想を尽かしてしまったと言う事で、
私は取り返しのつかない事をしてしまったという事を、今更ながらに痛感した。
身を以って理解した所で、今はもう後戻りが出来ない。
あの時言った言葉が、まさか本当になるなんて・・・
『さよなら』
“絶対迎えに来てくれるから、その時まで・・・”
そう言う意味だったのに、
いつもそう言う意味で言っていたのに・・・
まさか、こういう意味になってしまうなんて、あの時どうして私はこんな事を言ってしまったんだろう。
自分が憎くて仕方ない。
どうしてもう少しでも素直になれないのだろう。
賢君を受け止めてあげられるだけの、素直さをどうして持てないのだろう。
今年は例年になく桜前線の南下が早く、
外ではもう桜が満開だ。
街を歩けば春を待ち焦がれていたかの様に、人々はその陽気な風を楽しんでいる。
それなのに私は、まるで氷河期にタイムスリップしてしまったかのように、
冷たく狭く苦しい世界を一人彷徨っている気分だ。
どこか意識の遠い所で、私はぼんやりとそう感じていた。
ふと、一つの感が過ぎった。
ずっと迷惑掛けていたのに、掛けっぱなしなんて良くない、と。
今でも勿論彼の事が大好きだ。
それは多分、この先ずっと変わらない。
だから、最初で最後くらい、彼に素直になろう。
そうしなきゃ、絶対後悔する。
おなじ後悔でも、好きな人を傷付けたままなんて、そんなの、私が許せない。
だから
久し振りに会おうと、そう決意した。
久し振りに踏み締めるこの土地。
普段あまり来る所ではない上に、この半年、1度たりとも近づこうともしなかった、
懐かしい香りがする、そんな気さえする、賢君の住む町。
連絡もしないで、突然訪ねてしまうのは気が引けるけど、
連絡をしたらしたで、行けなくなってしまいそうな気がしたから、
敢えて連絡をせずに来てしまった。
来てしまったはいいけど、何て言ったらいいか分からない。
悶々と考えながら、私はいつの間にか賢君の住むマンションの前まで来てしまっていた。
「京、さん?」
さて、どうしたものかと、考えあぐねていると、後ろから聞き覚えのある、
懐かしくて、優しくて、心地良くて、
一瞬の内に私を包思わず身を竦めた。
「京さんですよね?」
声が近づいてくる。
私は逃げ出したい気分だったけど、
足がどうにも動かなくて、その場に立ち尽くしてしまった。
「京さん?」
3度名前を呼ばれたけど、私は振り向く事が出来なかった。
彼はそれに痺れを切らしたのが、
突然、私の目前に、彼の、懐かしい顔が現れた。
「・・・ども」
これが、私が言えた、精一杯の一言だった。
続きも読んでみる?
ブラウンザでお戻り下さい
女の子
|
お絵かき掲示板
|
ナスカ
|
iPhone修理