デジモンセイバーズ(仮)





       ――200X年。

       

       デジタル技術が飛躍的に進歩し、それらは我々人類の生活に密着したものへと変容を遂げていた。

       

       それまで社会形態や仕事・娯楽などに留まっていたものが、衣食住等にも深い係わり合いを持ち始め、それは日常に於いて必要不可欠なものとなっていた。

       

       一日の始まりは、それで始まりそれで終わる。

       

       だからこそ、それを意識する物は目に見えて減っていった。

       

       すぐ身近にあり、それを当たり前とするようになると、無意識の裡に、その機能の果たす重要性・利便性を意識しなくなる。

       

       水や空気・木々の囀りに日々感謝する人間が皆無であるかのように。

       

       大気汚染等の公害や環境破壊―人間が無意識の裡に破滅へと導いたように、このデジタルワールドにも破綻の時が近づいていた。

       

       人間は、己の利己心を満たすかのように、あらゆる手段を尽くして、デジタルワールドを彼らが都合のいいようにデータを書き換えていった。

       

       その結果あの頃の様に、否、あの頃以上に顕著に、リアルワールドにも影響が出始めていた。

       

       水害・干害等の異常気象はまだましな方だ。

       

       人間は生活面に於いてもそれを取り入れた報いとして、人体に影響を及ぼす物も出始めていた。

       

       しかし、それを公表することは即ち波乱を呼ぶ事でもあり、原因不明の新種のウィルスとして隔離される物も少なくはなかった。

       

       

       

       

      『まるで物語のようだ』

       

       そんな社会が、いろんな意味である程度浸透し始めた頃のことである。

       この荒廃し切った社会を見下ろすかのように、既に誰も立ち入らなかったデジタルワールドのゲートに立ち竦んでいる少年が一人。



       手には古びた一冊の本を抱えている。


       






    ***


      超個人的解釈『デジモンセイバーズ』
      以前友永がセイバーズについて「無印の子ども達のお話だったらいいのに」と言っていたのですが、
      それに自己解釈を付け加えてこんなお話が出来てしまいました。ちょっと長いので分けてアップして行きます。



                       Mar 1 2006 MumuIbuki


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